1. KIKK IPA 2019(ウエストコーストIPA)の誕生
2. KIKK IPA 2020(ニューイングランドIPA)
3. KIKK IPA 2021(セッションIPA)
4. KIKK IPA 2022(ダブルIPA)— モデルチェンジ
KI: 最初の3部作がひと区切りして、次は少しモデルチェンジしたい、という流れで2022になります。この時のコンセプトやエピソードを教えてください。
YY: 実は、ビールとは別に、KIKK IPAのロゴをモチーフにしたTシャツ※2のデザインを考えていたんです。そのTシャツの絵柄を使って、ラベルに展開できないか、という発想が最初でした。なので、先にTシャツのデザインがありました。最終的には、そのTシャツをもとにシンプルにロゴを使った案と、まだやっていなかったポップなコラージュ案の2案を提出して、RISE & WINさんの意見も聞いてみよう、という流れになりました。
KI: そうでしたね。これまでのカクカクしたロゴやデザインは、ファンの方にも十分浸透しただろう、という感覚があって。今回は少し丸みのある、可愛くて親しみやすい方向性もテーマだった気がします。最終的に、色数が多くて賑やかなポップな案と、Tシャツをもとにしたシンプルな案。この2つが残りましたよね。僕は本当に両方好きで、正直決められなくて(笑)、RISE & WINさんに意見を聞いた形でした。
YY: 結果的に、2022がInternational Beer Cupで銀賞(インペリアルIPA部門)を受賞して、シンプルなラベルの方を選んでくれて良かったなと思いました。
Tシャツ用 ロゴアイデア
5. KIKK IPA KI30(ベルジアンIPA) — ケンイシイ・デビュー30周年記念エディション
KI: 次の年は、僕のアーティストデビュー30周年でした。それを記念して作ったのが「KI30」です。音楽的なルーツでもあり、僕がビール好きになったきっかけでもあるベルギービールに敬意を表した、ベルジアンIPAでした。デザイン面はいかがでしたか?
YY: 確か藤井さん(ケンイシイのマネージャー)から、「なるべく一般受けするものにしてほしい」というオーダーが最初にあったと思います。そこで、自分なりの“一般受け案”と、もう一つはいつも通り自由に作った案、2つを用意しました。最終的には、自由に作った方が選ばれましたね。
KI: 思い出しました。30周年全体のロゴやビジュアルと連動させたい、というマネージャー的な視点もあって、「万人に受け入れられるもの」という話が出ていたんだと思います。
YY: 自由に考えた案は、とにかく「元気」で「力強い」イメージにしたかった。ケンさんのテクノのように、迷いなく突き進む感じ。
書体は、2001年『Flatspin』の時に作ったフォントのアイソメ図(等角投影)になっています。Ken Ishiiロゴでも使っている制作法ですね。外型の形状は、『Liver Blow Remixes EPs』で使った、クセの強い八角形をさらにアレンジしたものです。
もともとビールラベルとして作ったデザインが、イベントフライヤーや、ケンさんがDOMMUNEに出演されたときのスタジオの壁面デザインに展開されたのも嬉しかったです。
KI: ヤマシタさんの色や形の個性が、一番濃く出たデザインだと思います。僕が好きなのは、ポップなんだけど少し歪んでいる、あの感じ。それが存分に表れているなと。
イベントフライヤー
6. KIKK IPA 2025(ゼスティ&ヘイジーIPA)
KI: 1年空いて、2025年。今回、僕からはどんなオーダーがあって、どう進行したのか今一度教えてもらえますか。
YY: 今回は、ケンさんに具体的なイメージがあって「ライムグリーンとブライトイエローのモノグラムでいきたい」と。それで実際にラフを作ってみると、コントラストが足りず、面白さが少し見えにくかった。そこで配色を再考しました。
黒とメタリックブラックの差で表現できないか、ロゴだけを盛り上げるバーコ印刷にできないか、なども検討したのですが、技術的な制約で難しくなり、最終的に特色2色でまとめることになりました。
KI: 形にしてもらうと、最初に自分が想定していたものとは少し違う感覚もありました。でも、ヤマシタさんが提案してくれたアイボリーが本当に絶妙で。時間的な制限の中でも、あまり見たことのないデザインになったと思います。よく見ると細部が面白くて、Rise & Winさんからもかなり好評でした。
YY: 規定文の右側、アイボリーの白抜き部分が、ちょっと印刷の擦れのように見えて、面白い効果が出ましたよね。
KI: ああいう、どこかバグっている感じって、すごくクールだと思うんです。ある意味、計算されたバグというか(笑)。
今後の展望
KI: という感じで、僕らは個人的に仲いいんで、普段からよく話してますし、今もビールを飲みながらなんですけど(笑)今日はデザインにまつわる思い出話をしてみました。また次も、楽しいビールが作れるといいですね。
YY: そうですね。ケンさんとのモノづくりは毎回楽しいです。KIKK IPAが缶になったら、それも面白そうですよね。
KI: うん。缶になると単純に面積が増えるし、表現の幅も広がりますよね。
YY: ぜひ、やりたいですね。
KI: やりましょう。今日はありがとうございました。
YY: ありがとうございました。